財産目録の作成とは?デジタル資産や暗号資産を含めた管理方法を解説

相続税申告や相続放棄の検討の判断、そして、遺産分割をスムーズに進めるためには、財産目録の作成が重要です。

財産目録とは、被相続人(亡くなった方)が所有していた現金・預貯金・不動産・有価証券などの資産を一覧にまとめた書類です。

近年では、従来の金融資産に加えて、デジタル資産(暗号資産・仮想通貨・電子マネー・ポイント)の重要性も増しており、これらを適切に整理することが求められています。

本記事では、財産目録の作成方法、デジタル資産の管理方法、相続時の注意点について詳しく解説します。

1. 財産目録とは?

財産目録とは、被相続人が所有していた全財産を一覧にした書類です。相続財産を正確に把握し、遺産分割や相続税の申告をスムーズに行うために作成します。

財産目録を作成する目的

  • 遺産分割協議を円滑に進める
  • 相続税の申告の要否の判断材料とする
  • 借金などの負債も把握し、相続放棄の要否の判断材料とする

2. 財産目録に記載する内容

財産目録には、プラスの財産(資産)とマイナスの財産(負債)の両方を記載します。

財産目録の主な項目

分類 財産の種類 具体例
金融資産 預貯金 銀行の普通預金、定期預金など口座の残高
有価証券 株式、投資信託、債券
保険 生命保険、死亡保険金、入院保険金、解約返戻金
不動産資産 土地・建物 自宅、賃貸物件、別荘など
デジタル資産 仮想通貨 ビットコイン、イーサリアムなど
電子マネー PayPay、楽天Edy、Suica
ポイント管理 クレジットカードのポイント、マイル
負債(マイナス財産) 借入金 住宅ローン、消費者金融の借金
未払金 税金、医療費、未払い家賃
ポイント
  • 預貯金や証券の残高は、「残高証明書」を取得して正確に記載する
  • 不動産は「固定資産税評価証明書」や「登記事項証明書」で確認
  • デジタル資産はログイン情報などからアクセス

3. デジタル遺産の管理と財産目録への記載

近年、デジタル遺産の相続が注目されています。暗号通貨、仮想通貨や電子マネー、各種ポイントを生前に利用している方の割合も増えてきています

デジタル遺産を含めた財産目録を作成することで、正確な財産目録が作成できますが、実はデジタルであるが故に問題点も指摘されています。

① 暗号資産(仮想通貨)の管理

暗号資産(ビットコイン・イーサリアムなど)は、銀行口座とは異なり、秘密鍵(パスワード)を知らなければ相続人がアクセスできません。

また、暗号通貨、仮想通貨の取引は、スマホのアプリの中で取引しているため、銀行の通帳のような紙の現物がありません。

したがって、そもそも、被相続人が暗号資産を持っていたことを知ることもできないという事態も生じてきています。

現時点では、確立された方法がなく、亡くなる前に本人が対策を取ることで、相続人に負担がかからないようにすべきでしょう。

暗号資産で相続人が困らないために・・・

  • 取引所名・ウォレット情報を記録する(例:Binance、Coinbase)
  • 秘密鍵やパスフレーズを紙に書いて保管する
  • 2段階認証の解除方法を相続人に伝えておく
注意点
  • 取引所に連絡すれば相続手続きができるが、ウォレットに保管している場合は秘密鍵が必要
  • アクセス情報を知らないと、資産が凍結され、相続できなくなる

② 電子マネーの相続

電子マネー(PayPay・楽天Edy・Suica など)は、利用規約により、相続手続きが可能なものと、相続不可のものがあります。

電子マネーの対応と財産目録への記載方法

  • サービス名・アカウント情報を一覧にする
  • 利用履歴や残高をスクリーンショットで記録
  • 家族にログイン方法を伝えておく
注意点
  • 電子マネーの種類によっては、相続できない場合もある
  • プリペイド型の電子マネー(交通系ICカードなど)は相続不可のことが多い

③ クレジットカードのポイント・マイルの管理

クレジットカードのポイントや航空マイルも、相続対象になる場合があります。

ポイント・マイルの対応と財産目録への記載方法

  • 各ポイントの有効期限を確認し、早めに移行手続きを行う
  • 家族会員への移行が可能か、カード会社に確認する
  • 相続可能なポイントは財産目録に記載する
注意点
  • 楽天ポイント・Tポイントなどは、相続できる場合がある
  • 航空マイルは、会員プログラムのルールに従う必要がある

4. 財産目録の作成手順

財産目録を作成する流れ

  1. 財産の洗い出し(金融機関・不動産・デジタル資産の確認)
  2. 必要書類の収集(残高証明書・登記事項証明書など)
  3. 一覧表を作成(エクセル・紙で作成)
  4. 定期的に更新し、家族に保管場所を伝える(生前にできる対策)

財産目録の作成例(エクセルや紙に記載)

財産の種類 内容 金額・残高 備考
銀行口座 三菱UFJ銀行 500万円 口座番号:1234567
証券会社 楽天証券(株式) 200万円 銘柄:株式会社〇〇の株、100株
不動産 東京都〇〇区の自宅 4,000万円 固定資産税評価額
暗号資産 ビットコイン 0.5BTC ウォレット情報記載
電子マネー PayPay 5万円 ID・ログイン情報

5. デジタル遺産の難しさ

デジタル遺産は主に、パソコンやスマートフォン内(アプリ)に存在していることが多く、そもそも家族ですら気付きにくいという問題点があり、そのため財産目録に記載する遺産から漏れる可能性が高くあります。

また、デジタル遺産の存在を知っていたとしても、その内容を確認する前提として、スマートフォンやパソコンのロックを解除しなければなりません。

夫婦間でもお互いにスマホのロックの解除方法を知っているということはもしかしたら少ないかもしれません。

PINコードなど一定数間違えてしまうと初期化されてしまったりなど一般の方にはお手上げになることもあります。

そして、ロック解除のためには、専門の業者に依頼しないといけないという事態も生じていますが、これが、かなりの時間と費用がかかるのが現状です。

デジタル遺産は今後かなり問題となってくるとこですが、現時点ではその有効な方法は確立されていません。今後の法改正などが待たれます。

そのため、現時点では、亡くなる前にパスワードを記載して、家族間に共有しておくなど、相続人に負担がかからないような対応策を、自ら行う必要があります。

6. まとめ|財産目録を作成し、相続準備を万全に

財産目録は、相続手続きをスムーズにするための重要な書類

  • 預貯金・不動産・有価証券だけでなく、デジタル資産も含めると正確な財産目録となる
  • 生前に暗号資産や電子マネーのログイン情報を整理して家族に伝えておく必要がある

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