相続放棄をおすすめするケース|負債超過や連帯保証人のリスクを回避する方法

相続が発生すると、不動産や預貯金などのプラスの財産だけでなく、借金や未払いの税金といったマイナスの財産(負債)も相続の対象になります。

しかし、負債が多い場合や、思わぬ責任を負う可能性がある場合は、「相続放棄」を検討することが重要です。

相続放棄をすると、被相続人(亡くなった方)の財産や借金を一切相続しないことができます。

本記事では、相続放棄をおすすめするケースについて詳しく解説します。

1. 相続放棄とは?

相続放棄とは、相続人が被相続人の財産や負債を一切引き継がないことを選択する手続きです。

  • 相続放棄をすると、最初から相続人でなかったものとみなされる
  • プラスの財産もマイナスの財産(借金など)もすべて放棄する
  • 家庭裁判所での法的手続きが必要
  • 相続放棄をしないと、負債も引き継ぐことになるため、状況に応じて適切な判断が求められます。

2. 相続放棄がされる理由は何が多い?

そもそも家庭裁判所がどういった理由の相続放棄を想定しているのでしょうか。

実は、家庭裁判所の相続放棄申述書の記載例の中の、「放棄の理由」という箇所にヒントがあります。

記載例には、理由として、

  • 被相続人から生前に贈与を受けている 
  • 生活が安定している 
  • 遺産が少ない 
  • 遺産を分散させたくない 
  • 債務超過のため 
  • その他 

この6つの理由が印字され、どれかに○を付けることを要求しています。

すなわち、上記の6つを家庭裁判所は想定していると考えてよいでしょう。

この中でも、経験上○を付けるのは圧倒的に「⑤債務超過のため」です。その次に、「③遺産が少ない」、「②生活が安定している」が続いています。

3. 相続放棄をおすすめするケース

相続放棄を検討すべきケースには、主に下記の3つの状況があります。

① 負債超過(借金が資産を上回っている)

やはりこの理由が、相続放棄をする圧倒的な理由になります。相続放棄をすることで一切の借金を相続しなくて良くなるのは最大のメリットです。プラスの財産が少なく、借金の額が多額である場合にはまず検討しましょう。

具体例
  • 被相続人に多額の住宅ローンやカードローンがあった
  • 税金や未払いの公共料金、医療費などの債務が多い
  • 会社経営をしていたが、事業の借金が残っている
  • このような場合、相続放棄をすれば借金を一切引き継がずに済みます。

② 連帯保証人になっている場合

単に被相続人に借金があるということではなく、被相続人が他人の借金の連帯保証人になっていた場合、その責任も相続人に引き継がれます。

主債務者の経済状況や返済額によっては事前に相続放棄をして、保証人の地位を相続しない方が良い場合があります。

具体例
  • 親が友人や親族の借金の連帯保証人になっていた
  • 会社経営者で、会社の借入に個人保証をしていた
  • 相続放棄をすれば、連帯保証人としての責任も消滅します。

③ 遠い親戚の相続人になってしまった場合

最近増えているのが相続人同士や被相続人との関係が疎遠な場合です。

親戚づきあいが減っている昨今、相続放棄の理由として増えてきているのが、「関わり合いを持ちたくない」といった理由でのみ相続放棄をしようとするケースです。

相談内容を聞くと、こういうケースでは、相続財産が多い少ないにはあまり関心がないようです。

とにかく一度も会ったことがないような被相続人の財産はプラスであったとしても相続したくないと考える方も増えている印象です。

相続財産を取得するにあたり他の相続人と揉める可能性を心配したり、相続人同士でのやり取り自体を避けたいという希望が強い場合です。

相続放棄をすることによって、関わり合いを持つことはなくなります。

具体例
  • 付き合いのない遠い親戚が亡くなり、自分が相続人になった
  • 知らない間に相続人になっていた
  • 遺産や借金の状況がわからない場合や関係を持ちたくない場合には、相続放棄を選択することで不要な負担を回避できます。

④ 相続財産の管理が難しい場合

不動産や土地を相続する場合、固定資産税や維持管理の負担が発生します。

具体例
  • 価値の低い山林や田舎の空き家を相続することになった
  • 遠方の不動産で管理が困難なため、売却も難しい
  • 相続放棄をすれば、維持費や税金の負担を避けることができます。

4. まとめ|相続放棄を検討すべきケースと適切な対応

  • 借金が財産を上回る「負債超過」の場合、相続放棄をすれば借金を引き継がずに済む
  • 被相続人が「連帯保証人」だった場合、相続放棄で責任を回避できる
  • 遠い親戚の相続人になった場合、相続財産の内容が不明なら相続放棄が安心
  • 管理が困難な不動産を引き継ぎたくない場合も、相続放棄を検討するべき
  • 相続放棄は「3ヶ月以内」に家庭裁判所で申請する必要があるため、早めの判断が重要
  • 相続放棄を適切に活用し、不要な負担を回避しましょう!

不安がある場合は、専門家に相談してスムーズに手続きを進めるのがおすすめです。

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