1 財産の調査とは何をするのか?
「相続人は誰か」という相続人調査と平行して行うのが、財産の調査です。
そもそも、被相続人(亡くなった方)のどういった財産が相続の対象になるのでしょうか。
多くの方がまず思い浮かべるのが、①不動産、次に②預貯金だと思います。この2つは額も大きくなることが多いため、「財産」として認識しやすいでしょう。
しかし、それだけではありません。株式、社債、国債といった有価証券も相続財産になります。
また、見落としやすいものとして、未回収の債権があります。特に個人事業を営んでいた方は、売掛金等でいまだに回収していない債権も相続財産として、財産目録に記載していく必要があります。
こういった、相続財産を調査するのが、財産調査と呼ばれるものですが、調査といっても家宅捜索のようなことをするのではありません。
親族の方から得た情報を元に、不動産の価格を調べたり、銀行預金があるかを調査したりすることがメインになります。
財産調査で得られた情報を元に、「財産目録」を作成していきます。
2 銀行口座の調査の方法と残高証明
1 取引銀行が分かっている場合
被相続人の通帳やカードから取引銀行(信金・信組)が分かっている場合には、その銀行に対して亡くなった日時点の残高証明を請求します。
具体的な請求方法
提出先 | 各銀行の窓口 |
必要書類 |
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費 用 | 各金融機関により異なる (概ね1通1,000円程度) |
期 間 | 特になし |
以上を添付して請求をします。また、普通預金のみならず、定期預金、さらに投資信託口座や休眠口座など複数の口座を有している場合があるので、それらも合わせて調査をします。なお、ひとつの支店で、別支店の口座も調査することが可能です。
2 取引銀行が分からない場合
通帳やカードが全く見当たらない場合には、およそ利用していたと思われる銀行をひとつずつ当たって調査するという地道な作業が必要となります。
もっとも、傾向としては、居住地の近くの銀行(特に地銀や信用金庫、信用組合)は取引銀行になっている可能性が一般的に高いと思いますので、まずは近くの銀行から調査をします。
また、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行といったメガバンクも、どれかひとつは口座を持っていることが多いので、調査対象にした方がよいでしょう。被相続人の氏名と生年月日が分かれば、調査が可能です。
口座が発見された場合には、同じように残高証明を請求します。
具体的な請求方法
提出先 | 各銀行の窓口 |
必要書類 |
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費 用 | 各金融機関により異なる (概ね1通1,000円程度) |
期 間 | 特になし |
以上を添付して請求します。
3 ゆうちょ銀行の調査の方法と残高証明
高齢者が比較的多く利用しているのがゆうちょ銀行の口座です。年金の受取口座にしている方が多い印象があります。現時点で65歳以上の高齢者にとっては、郵便局に対する絶大な信頼があったのがよく分かりますね。
さて、ゆうちょ銀行の調査は所定の様式の貯金等照会書に必要事項を記載して提出します。
残高証明の具体的な取得方法
提出先 | ゆうちょ銀行または郵便局の支店窓口 |
必要書類 |
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費 用 | 1通510円 |
期 間 | 特になし |
以上を添付して請求します。
4 残高証明の取得代行もお任せ!
銀行における手続きにおいて、どうしてもネックになってくるのは平日の日中に支店窓口へ出向いて手続きをしないといけない点にあります。
日中お時間がある方であれば問題ないでしょうが、お仕事をされながらの手続きはかなり面倒を感じることと思います。また、支店が近くにない場合には移動時間も勿体なく感じることでしょう。
こんなときには最初から司法書士に任せてしまうのも時間と労力の節約になります。
司法書士かなた法務事務所では、残高証明取得の代行も行っていますのでご相談ください。